企業がSNSをビジネスに活用する意義とは? アカウント運用のメリット・デメリットをわかりやすく解説
InstagramやTwitterなどのSNSでアカウントを運用し、認知拡大やブランディングに成功している企業は多数存在します。集客ツールのひとつとしても有効活用が可能であり、ビジネスに活用する企業は増えています。
この記事では、企業におけるSNS活用の意義やメリット・注意点について解説していきます。
《もくじ》
・企業がSNSアカウントを開設する意義
・業のSNS利用割合はどれくらいか?
・企業がSNSをビジネス活用するメリットとは?
・企業がSNS活用する際の注意点やデメリット
・まとめ|SNS活用はビジネス成功のカギを握る!
企業がSNSアカウントを開設する意義
2021年度(令和3年度)におこなわれた総務省による「通信利用動向調査」によりますと、SNSの利用率は年代全体で78.7%に及びます。20歳~49歳においては、約90%の利用率であり、SNSを通じた個人ユーザーへのアプローチは有効な手段と言えるでしょう。
また、その利用目的を見てみると「コミュニケーションのため」に次いで「情報を探すため」という回答が2位となっており、従来GoogleやYahoo!などでおこなわれていた検索行動が、SNSに置き換わりつつあることが見て取れます。
SNSアカウントを開設・運用することで、スマートフォンやタブレット端末で情報収集するユーザーに対し、広く情報発信ができるようになるのです。
日本人の大多数がSNSを利用する中、企業がその場を活用しない手はありません。
出典|令和2年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査
TwitterやInstagramに限定しても、概ね国民の半数が利用しています。媒体ごとに訴求しやすい年代は異なりますので、自社のビジネスにとって有効なSNSを選択することも重要です。
企業のSNS利用割合はどれくらいか?
では、実際どれくらいの企業がSNSを活用しているのでしょう。
平成30年度の通信動向利用調査の結果によると、インターネットを利用している企業のうち、「SNSを活用している」と回答したのは36.0%。業種別にみると、不動産業、金融・保険、卸売・小売の順に活用率が高いです。一見するとお堅いイメージの金融・保険業界でもSNS活用が進んでいるのです。
SNSの利用目的としては「物品や催物の紹介、宣伝」がトップになっており、これを読み替えると「集客ツール」としてSNSを活用するケースが多いことが分かります。
企業がSNSをビジネス活用するメリットとは?
多くの企業がSNSに力を入れていることが分かったところで、そのメリットについて簡単にお伝えしていきます。
顧客への認知拡大
SNSには「いいね」や「リツイート」、「シェア」など、投稿に対してユーザーがリアクションをとれる機能があります。こういった機能により、投稿をより多くの人に共有・拡散させることができます。
従来型のマーケティングアプローチでは、自社のサービス・プロダクトに興味・関心を抱かなかった潜在的なユーザーにアプローチするのはとても大変でした。
もちろん広告を出すことによって多くの人の目に触れることは可能なのですが、莫大な予算投下が必要なケースも少なくありません。
そういった意味では、よりコストパフォーマンスバランスに優れたかたちでサービス・プロダクト、ひいては自社の認知拡大につなげられるのです。
顧客満足度(CS)の向上
SNSの特徴のひとつに、ユーザーとの距離の近さが挙げられます。
企業が発信した投稿に対してお客さまからコメント・返信が付くケースは少なくありません。
お客様の声を集めようと思ったら、調査会社に依頼するなど手間や費用がかかるものです。SNSであれば直接フィードバックを受けられます。
もちろん、コールセンター・カスタマーサポートにもユーザーからの声は集まるのですが、もっと気軽に発信できるSNSに投稿された声は「本音」に近い情報ととらえることができます。
また、コメントに対して迅速に対応する姿勢はユーザーにとってポジティブに映り、結果的に顧客満足度向上につながります。
ブランディング
ブランディングとは、ブランドの価値、認知度、普及度を向上させるための一連の活動のことを指します。
SNSを使ったブランディングは、何と言っても少ない予算で実現できる点が魅力です。
従来は、ブランディングのために大規模なイベント・キャンペーンをおこない、莫大なヒト・モノ・カネを投じる必要がありました。
しかし、SNSが国民全体に浸透している現在では、小規模なリソースで大きな成果をあげることが可能です。これまで自社のブランドイメージをつくりあげることが難しかった中小企業でも、気軽に手軽に施策を講じることができるのです。
企業がSNS活用する際の注意点やデメリット
もちろん良いことばかりではありません。SNSは使い方次第で自社ブランドを毀損したり、悪評が拡散してしまうこともあります。以下では注意点について解説します。
炎上する可能性がある
企業SNS運用のデメリットとして、まず挙げられるのが「炎上の可能性」です。
SNSは拡散性が高いため、広く認知拡大につなげられることは先ほどお伝えしたとおりです。一方、センシティブな内容への不用意な言及やコンプライアンス違反が感じられる内容も、同様に一気に広まります。
社内常識では「何気ない」投稿だとしても、一般常識からしたら問題視されるというケースは少なくありません。運用担当者は、客観的な目線で投稿内容を吟味する必要があります。
なお、不適切な投稿は一度世に出てしまえば消し去ることが難しいです。投稿を削除したとしても、スクリーンショットやアーカイブ保存など、投稿内容を保管する方法は多数あります。
それだけに、投稿内容には細心の注意を払う必要があります。
運用にリソースがかかる
個人でのSNS投稿は気軽に行えるので、企業でのアカウント運用も同じ感覚で簡単に捉えられがちな部分があります。しかし、企業におけるSNS運用はやることが多数あります。
- ターゲットを選定する
- 投稿のガイドラインを策定する
- 投稿の文章や画像、キャンペーンページを作成する
- 内容に誤りや不適切な表現が無いかチェックする
- ユーザーのリアクション(返信など)に対応する
- ダイレクトメッセージ(DM)に返信する
- 投稿内容への反応を定量的に分析する
- 分析内容を踏まえて、PDCAサイクルを回す
簡単に挙げるだけでも、多くの作業が発生することがお分かりになるかと思います。
しかしながら、これからSNS運用を開始しようとする企業にとっては、最初から専任の担当者を配置することが難しいケースが多いです。
しっかりとした運用をおこなおうと思うと、他業務との兼任ではどうしても片手間になります。そうすると、投稿のペースを維持することが難しくなり、ひとつひとつの投稿へのクオリティが下がり、ミスが増えるなど、悪いスパイラルに陥ってしまいます。
運用担当者が動きやすい体制を整えることも、企業にとって重要なポイントです。
KPIやKPIの設定が難しい
SNS運用における目標・ゴールをKGI(Key Goal Indicator、需要目標達成指標)と呼びます。
KGI(目標・ゴール)が決まれば、その指標を達成するために何をすべきか、どの程度達成されているかを測定する必要があります。この指標をKPI(Key Performance Indicator、重要業績評価指標)と呼びます。
KGIの指標としてよく使われるのが売上ですが、SNSでどれだけ売上が伸びるかを事前に予測することは実は難しいです。KPIはKGIを分解して設定されるものですので、KGI設定が難しければ、当然KPIに落とし込むのも困難を極めます。
わかりやすい指標として「フォロワー数」をKGIやKPIに設定されるケースが多いです。何のためにどのような運用をすればいいのかが明確でないまま、とにかくフォロワー数を増やすことを追い求めるのは得策ではありません。フォロワー数を増やした先に何を実現したいかをあらかじめ描きましょう。
まとめ|SNS活用はビジネス成功のカギを握る!
SNSの運用は、うまく活用すれば大きなビジネス成果を生み出す可能性を秘めています。各SNSの特性に合わせた運用ができれば、さらに効果的です。
運用自体は難しいものではありませんが、社内のリソースによっては、運用代行会社や運用コンサルティング会社の利用を検討するのもよいでしょう。
投稿者:中野直大
営業として働きながら、独学でプログラミングやデータサイエンスについて学ぶ。
その中で数字に苦手意識のある人たちでもデータ分析は「できる」と思ってもらえるのではないかと強く思うようになる。
DX推進が加速していく社会の中で活躍する人材の底上げをしたいと思った事から、データ分析スクールまなべくとるを立ち上げに携わる。
学生時代には、世界を旅し、研究室では大腸ガン早期発見の為のデバイス開発研究を行う。