統計学入門!統計学の概略とできること・詳しく学ぶためのおすすめ本

統計学入門!統計学の概略とできること・詳しく学ぶためのおすすめ本

統計学とはそもそもどんな学問か

統計学とは、データをまとめて分析することにより、その群のデータの性質を調べたりもっと大きなデータや未来のデータを予測したりする学問です。

バラつきのある数多くのデータをただ眺めていても、傾向や関連性などを理解することはできません。
平均を出したり分布を調べたりデータ群間の関連を調べるなどしてデータに手を加えることで、はじめて規則性や不規則性を見つけ出すことができます。
データに手を加えて解釈できるようにするのが統計学です。

近年ビッグデータが利用しやすくなったこともあり、ビジネスの世界でも統計学が注目されています。
ITの発展により、具体的な計算は機械が行えるようになったことも理由の1つです。
目的がはっきりしていれば「どういう切り口で分析するか」もおのずと決まり、そこからは以前より少ない労力で分析が可能となってきています。

統計学でできる事

統計学でできること

統計学はビジネスにおいて様々な場面で活用することができます。
特にIT関連はデータを集めやすい環境にあり統計学と親和性が高いため、利用しやすいと言えます。
たとえば、マーケティングでの活用が挙げられます。
具体的には、SNS上の無数の投稿や顧客情報からニーズを把握して商品開発に活かしたり、顧客の購入履歴のデータをもとに売上拡大を図るといったことが可能です。

そのほか製造業では、統計学を用いることで不良品の発生因子を絞り込むことができます。
その結果、適切な品質管理や生産性向上がもたらされます。

また業種を問わず、データに基づいた客観的な結論を導き出すことができます。
導き出された結論は、意思決定の根拠はもちろん上司やステークホルダーを説得するための材料としても用いることができます。

ビジネスマン個人としても統計学的知見を身につけることにはメリットがあります。
統計学を利用したデータ分析は現在ニーズが高まりつつあるスキルです。
データサイエンティスト職の求人も増えてきており、これからますます統計学の知識は就職・転職に役立つと考えられます。

そのほか日常生活でも、数字にだまされないリテラシーが身につきます。

統計学でできる事

統計学おすすめ入門書

ここではおすすめの入門書をタイプ別に紹介します。統計学の内容は多岐にわたり、難しく感じられるせいで挫折する人が少なくありません。
知識として体系立てて学ぶには人から教わるのがおすすめですが、独学の場合は入門書で学びましょう。

●しっかり学びたい人には
『統計学入門 (基礎統計学Ⅰ) 』東京大学教養学部統計学教室編集(東京大学出版会)

●まず全体像を掴みたい人には
『完全独習 統計学入門』小島 寛之著(ダイヤモンド社)

●とにかく分かりやすく概略を知りたい人には
『マンガでわかる統計学 素朴な疑問からゆる~く解説』大上 丈彦(SBクリエイティブ)

●書籍よりもまずはネットで入手できる方法を探している人には
『データ分析のための統計学入門』Mine Çetinkaya-Rundelほか著・国友直人ほか訳(PDF版無償配布あり/日本統計協会[単行本])

解説だけでなく練習問題も収録・掲載されている本が中心なので、より実践的に統計学の知識を身につけることができます。

おすすめ入門書①「統計学入門 (基礎統計学Ⅰ) 」

『統計学入門 (基礎統計学Ⅰ) 』東京大学教養学部統計学教室編集(3,080円/東京大学出版会/1991年)
ある程度数学の知識があり、しっかり学びたい人向けの1冊です。
ていねいに基礎から説明されていますが、内容は高度です。内容も幅広く一通り網羅されており、辞書的に使うことも可能です。

出版されてから30年経っていますが、いまだバイブルとされている歴史的名著です。
ただし手っ取り早くマニュアル的に学びたい場合・数学に苦手意識がある場合には本書は不向きです。より平易なほかの本で学んでから本書を読むとよいでしょう。

おすすめ入門書②「完全独習 統計学入門」

『完全独習 統計学入門』小島 寛之著(1,980円/ダイヤモンド社/2006年)
まず統計学の全体像を掴みたい人向けです。タイトルにある通り独学できるように配慮されており、文字通りはじめて統計学を学ぶ人や過去に挫折したことがある人に適しています。
本書で概要を学び、必要に応じてより深い内容の本を手に取れば効率的です。

高い水準の数学的知識が求められる統計学ですが、本書は中学レベルの知識があれば読み進めることができます。

おすすめ入門書③「マンガでわかる統計学 素朴な疑問からゆる~く解説」

『マンガでわかる統計学 素朴な疑問からゆる~く解説』大上 丈彦著(1047円/SBクリエイティブ/2012年)
とにかく分かりやすく概略を知りたい人向けの1冊です。もちろんタイトル通り、マンガと文章の組み合わせで解説されています。
基礎の基礎の考え方がていねいにまとめられており、「意味は分からないけど機械的にこなせるようにはなる」のではなく本質を理解することができます。まさに初学者にうってつけの内容だと言えます。

これをスタートに徐々にステップアップしていきましょう。
また、基礎的な考え方があやふやになった時に読み返すのもおすすめです。

おすすめ入門書④「データ分析のための統計学入門」

『データ分析のための統計学入門』David M. Diez, Mine Çetinkaya-Rundel, and Christopher D. Barr著・国友直人、小暮厚之、吉田靖訳(無料/2021)
書籍よりもまずはネットで入手できる方法を探している人向けです。こちらはPDFのデータがWeb上に無償配布されています。
訳者の中には明治大学・東京大学の教授が含まれています。
なお、単行本としても出版されており、そちらは有料です。

複数の著者による共著ですが、データサイエンティストや投資ファンドのデータ分析家も名を連ねており、実践的な学びを得ることができます。

統計学をビジネスに活かそう

統計学をビジネスに活かそう

統計学は今後ビジネスにおいてますます重要となっていく学問です。
活用されるようになってきていますが、まだ広く浸透しているとは言えず競合に差をつけるチャンスでもあります。
今から統計学を学びビジネスに反映させても、業種によってはじゅうぶん先行者利益を得ることができるでしょう。
あなた・御社のビジネスに統計学を利用してください。


投稿者:中野直大
営業として働きながら、独学でプログラミングやデータサイエンスについて学ぶ。
その中で数字に苦手意識のある人たちでもデータ分析は「できる」と思ってもらえるのではないかと強く思うようになる。
DX推進が加速していく社会の中で活躍する人材の底上げをしたいと思った事から、データ分析スクールまなべくとるを立ち上げに携わる。
学生時代には、世界を旅し、研究室では大腸ガン早期発見の為のデバイス開発研究を行う。

                       
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