データ分析

データ分析

現代では至るところで業務やデータのデジタル化やIT化が進んでいます。それと同時にどの業界も厳しい企業競争が繰り広げられ、今や「オリジナルで新しいもの」を生み出すことが難しい世の中となっています。

このような現代において企業として、そして、一社会人として勝ち上がり、生き残っていくためには人にも物にも希少価値を生み出さなければなりません。

そこで必要になるのが「データを分析する力」です。

どのような業種についても、以下の分析が必要となります。

1)今、世の中にはどのような便利な物が存在し、どのような物に人気があるのか。
2)人々はどのような物や機能を必要としているか。

上記の調査をして初めて、自分達にしかできない商品やサービスができ、きちんと消費者に手に取ってもらえるものが提供できるのです。
それでは、データ分析とは一体何を意味するのか分かりやすく解説していきます。

《もくじ》
データ分析とは
データ分析の方法
 ・アソシエーション・バスケット分析
 ・クロス集計
 ・決定木分析
 ・クラスター分析
 ・ロジスティック回帰分析
 ・因子分析
 ・ABC分析
 ・グレイモデル
 ・時系列分析
まとめ

データ分析とは

データ分析とは
広辞苑には、「分析」とは、「複雑な事柄を細かな要素に分けて、その性質・構造などを明らかにすること。」と記されています。そして、ここでの「複雑な事柄」とは、「データ」に値します。

また、ビジネスの世界では、この分析結果を元にいくつかの結論を出し、方向性を定めたり、改善方法を明らかにして役立てています。
どれだけその職種に長けている能力を持っている社員が揃っていたとしても、肝心な分析力や考察力、判断力がなければ戦略を打つことはできません。
したがって、今や様々な職種において、データ分析に対して専門的な知識やスキルを持った人を必要としており、重宝される世の中なのです。

また、この流れが止まることはなく、これだけ膨大なデータが溢れている今はむしろ加速すると言えます。
それでは、各業種でどのような分析が行われ、実際に活用されているのか、ご紹介致します。


データ分析の方法

アソシエーション・バスケット分析
商品やサービス間にある相関関係を明らかにする分析手法です。
例えば、1992年にアメリカの「ウォールストリートジャーナル」に掲載されて反響を呼んだ記事が「おむつとビールの関連性」です。

ある大手スーパーマーケット・チェーンで、おむつを買いに来た父親がついでにビールを買う例が多いという内容です。
そこで店舗側はおむつとビールを並べて陳列したところ、売上が伸びたとされています。

このように顧客の需要をよく理解して戦略を立てることに役立ちます。


クロス集計
収集したデータを属性ごとに分類して集計する分析手法です。アンケート結果を回答者の年齢・性別・居住地などにもとづいて集計するのに使われます。
クロス集計は、各属性の習慣や好みを把握できるため、プロモーション施策に役立てられるでしょう。
クロス集計の結果は、一般的に曲線グラフで表現されます。「1日のゲーム時間は何時間か」というアンケートをとって年代ごとに集計したときには、縦軸にゲーム時間、横軸に年代をとります。

これにより、ターゲットを絞ることで確実な顧客の確保に繋げることができます。


決定木分析
ある原因から「もしこうなったら」という予測を繰り返して、何パターンもの結末を予測する分析手法です。
単に結末を予測するだけでなく、発生しうる確率も算出が可能です。そのため、決定木分析は主にマーケティングやリスクマネジメントの分野で用いられます。
原因とそこから導きだされる結果を示すと、枝分かれがたくさんある樹木のように見えるため、決定木と呼ばれます。

回帰木や分類木、ディシジョンツリーと呼ばれることもあります。
特に迷ったらITやAIに依存しつつある現代では、「もしこうなったら」や「起こるかもしれない」という考えられるリスクマネジメントをすることが顧客の信用に繋がります。


クラスター分析
ある集団の中から似た特徴のものを集め、グループを形成する手法です。例えば、モモ・バナナ・ジャガイモを分析し、「丸い:モモ・ジャガイモ」「甘い:モモ・バナナ」に分類されるといったことが挙げられます。
クラスター分析は、安さを重視するグループに分ける場合はセールス品、流行に敏感なグループに分ける場合は最新商品を紹介するなどの施策が実現する分析方法です。


ロジスティック回帰分析
ある問いに対する答えをYESかNOの二択で整理する手法が、ロジスティック回帰分析です。例えば、ある商品が売れたとき「購入者はどのような人か」ではなく「購入者は男性か否か」と問い、YES・NOで整理します。ターゲット層の商品購入率などを把握するのに活用できます。

実際にコンビニのレジには、「男性・女性・だいたいの年代」を打ち込む作業が存在します。毎日何万という人が日本中でコンビニを利用するため、大量のデータが集まっていることでしょう。


因子分析
複数のデータの背後にある共通の要素を探し出す分析手法が因子分析です。

例えば、ある人が商品を購入するまでに「口コミを見る」「類似商品と比較する」などの行動を取ったとします。このとき、「慎重な性格である」という共通の要素が背後にあります。
目に見えない要素を探し出せることから、主に心理学の分野で用いられてきましたが、ビジネスにおいても消費者心理を把握する際に使われ、今や重要なデータとなっています。


ABC分析
顧客や商品を重要度別に、A・B・Cの3段階に分ける分析手法です。「重点分析」とも呼ばれ、主に在庫管理や販促の分野で利用されます。例えば、小売店で商品を分類するときには、売上高の大きい順に並べ累積売上高割合を見ます。
重要度や優先度を決めることで、より効果的な施策を検討できます。


グレイモデル
明確なデータと不明なデータから、曖昧なデータを予測する分析手法です。明確なデータを白、不明なデータを黒、どちらにも属さない曖昧なデータを灰色で表すことからグレイモデルと呼ばれます。
グレイモデルは、リスクマネジメントなどのさまざまな分野で用いられます。ただし、単独で用いられることは珍しく、ほかの分析手法と組みあわせての利用が大半です。

ビジネスの分野では、「なんとなく」という不明瞭な観点が最も大敵です。
感覚に頼るのではなく、すべてを明確なデータに近付け、判断することこそが、リスクマネジメントとなるでしょう。


時系列分析
時間の経過に伴って変化するデータを分析する手法です。株価や売上が主な分析対象です。時間経過とともにどのようにデータが変化するのかを明らかにし、マーケティングにおける予測に役立てます。


データ分析の方法
まとめ
どのような職種もデータの分析から始まり、戦略を立てます。これまで、「なんとなくこの年代にはこれが人気のようだ」など、感覚的な部分に捉われすぎてはいないでしょうか。

そのようなことは避け、データから本当の結果を読み取ることで、確実な成果を導き出すことができます。

また、会社の中でデータ分析という分野で活躍してみるのも良いと思います。
どのような方も、これを機に少しずつ勉強し、新しいスキルを身につけてみてはいかがでしょうか。